「2年目のジンクス」とは何か。そこに潜む落とし穴【岩政大樹の現役目線】
「変化が起こらない時期」にどれだけ待つことができるかが勝負を分ける
■変化の起こらない時期に「待つ」大切さ
すると、それを3年、4年と続けて行った先に、(感覚的で申し訳ないのですが)それまで続けてきた色々なトレーニングや学びの全てが繋がっていくような感覚を覚えるようになり、真理みたいなものに出会った気がするようになりました。
身体がその感覚に出会って以降、僕は怪我をするどころか、どこかに張りを覚えることさえほとんどなくなりました。
ターニングポイントは2年目にあったように思います。続けることに疑問が湧いたり、もっと大きな変化を望む気持ちから焦りが生まれるときもありました。
「あのとき続けることができて本当に良かった。」
そう思っています。
他の多くのサッカー選手もみんなそうでした。今ではあらゆるトレーニングが考えられていて、サッカー選手もそれぞれが様々な取り組みをする時代になりました。その中で、みんな2年目に大きな変化を感じなくなるようです。
そこで、そのままそれを続ける選手と、「変化が起こらないなら意味がない」とやめてしまう選手に分かれます。
勝負はここにあるのだと思います。
2年目とはそもそも変化があまり起こらない年だと理解することが大切だと思います。そして、変化が起こらないこと、そこで"待つ"ことこそが次へのステップなのだと思います。
劇的な変化を経て迎えた2年目に変化が見えなくなると、そこでそれを「もう分かった」と捉えるのは違います。本当のものはその時には分かっていません。
変化が起こらない時期を乗り越えた先に訪れる、繋がる感覚。
それを味わえたことは、タイトルの味を味わえたことと並んで、僕のサッカー選手としての一番の財産だと思っています。
今、僕は新しい挑戦の中、刺激的な毎日を送ることができています。しかし、この感覚がいつまでも続くわけではないことを知っておかなくてはいけません。
そんな時に落ち着いて"待つ"こと。そして、やるべきことを地道に続けていくことができる自分でありたいと感じた、ある日の出来事でした。