「2年目のジンクス」とは何か。そこに潜む落とし穴【岩政大樹の現役目線】 |BEST TiMES(ベストタイムズ)

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「2年目のジンクス」とは何か。そこに潜む落とし穴【岩政大樹の現役目線】

「変化が起こらない時期」にどれだけ待つことができるかが勝負を分ける

■変化の起こらない時期に「待つ」大切さ

 すると、それを3年、4年と続けて行った先に、(感覚的で申し訳ないのですが)それまで続けてきた色々なトレーニングや学びの全てが繋がっていくような感覚を覚えるようになり、真理みたいなものに出会った気がするようになりました。
 身体がその感覚に出会って以降、僕は怪我をするどころか、どこかに張りを覚えることさえほとんどなくなりました。

 ターニングポイントは2年目にあったように思います。続けることに疑問が湧いたり、もっと大きな変化を望む気持ちから焦りが生まれるときもありました。

「あのとき続けることができて本当に良かった。」

 そう思っています。
 他の多くのサッカー選手もみんなそうでした。今ではあらゆるトレーニングが考えられていて、サッカー選手もそれぞれが様々な取り組みをする時代になりました。その中で、みんな2年目に大きな変化を感じなくなるようです。

 そこで、そのままそれを続ける選手と、「変化が起こらないなら意味がない」とやめてしまう選手に分かれます。
 勝負はここにあるのだと思います。

 2年目とはそもそも変化があまり起こらない年だと理解することが大切だと思います。そして、変化が起こらないこと、そこで"待つ"ことこそが次へのステップなのだと思います。
 劇的な変化を経て迎えた2年目に変化が見えなくなると、そこでそれを「もう分かった」と捉えるのは違います。本当のものはその時には分かっていません。

 変化が起こらない時期を乗り越えた先に訪れる、繋がる感覚。

 それを味わえたことは、タイトルの味を味わえたことと並んで、僕のサッカー選手としての一番の財産だと思っています。

 今、僕は新しい挑戦の中、刺激的な毎日を送ることができています。しかし、この感覚がいつまでも続くわけではないことを知っておかなくてはいけません。
 そんな時に落ち着いて"待つ"こと。そして、やるべきことを地道に続けていくことができる自分でありたいと感じた、ある日の出来事でした。

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岩政 大樹

いわまさ だいき

東京ユナイテッドFC

サッカー選手

1982年1月30日生まれ、35歳。187cm/85kg。ポジションはセンターバック。

山口県出身。周東FC、大島JSCを経て岩国高校サッカー部でプレー。東京学芸大学在学中に注目を集め、2004年鹿島アントラーズに加入。

2007年~2009年鹿島アントラーズのJリーグ3連覇に貢献。自身も3年連続Jリーグベストイレブンに選出される。

2013年鹿島アントラーズを退団。2014年にはタイプレミアリーグのテロサーサナでプレー、翌年ファジアーノ岡山に加入。

強さとクレバーさを兼ね備えたプレーでディフェンスラインのリーダーとして活躍する。2017年シーズンより関東サッカーリーグ1部の東京ユナイテッドFCに加入(コーチ兼任)。東京大学サッカー部コーチも兼任。

2016年シーズン終了現在で、J1通算290試合出場35得点、J2通算82試合で10得点。日本代表国際Aマッチ8試合出場。

2017年9月初の著書『PITCH LEVEL 例えば攻撃がうまくいかないとき改善する方法』を上梓。


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